あがらの言葉、後生に 和歌山県の方言、デジタル音源化(産経新聞)

 「あがら(私たち)の言葉を残そら」−。独特の方言を後世に伝えようと、和歌山県は新年度から方言のデジタル音源化に乗り出す。和歌山は方言や発音のバリエーションに富み、平安時代の熊野古道詣での影響で古い京言葉も残るとされる。県は地域ごとに調査を行い、収録した音源をインターネットで来年度中に公開し、和歌山弁の豊かさや面白さを全国に発信する予定。学校などでも、ふるさと教育の教材として活用していく。

 「つれもていこら=いっしょに行きましょう」が有名な和歌山弁。「おしまいな=こんばんは」など独特の言葉があるほか、体を「かだら」、冷蔵庫を「れいどうこ」と発音し、人を「ある」、物を「いる」と表す特徴もある。

 用法や特徴は地域ごとに異なり、県南部では敬語の概念がほとんどない▽南東部沿岸地域では黒潮文化の影響で千葉県や四国の言葉がある▽新宮市などでは平安時代の熊野古道詣での影響で古い京言葉が残る−などと伝えられている。

 だが、形成過程も含め詳細な調査と保存はこれまで、行われてこなかった。

 県は、過疎高齢化と衛星放送の普及で「地方の豊かな方言やイントネーションが無くなってしまうのでは」と危機感を抱き、将来に残すことを計画。新年度予算に2316万円を盛り込んだ。

 調査は市町村合併前の50市町村の枠を基本とし、集落ごとに調査員を派遣。地区のお年寄りに方言を取り入れた文章を朗読してもらうほか、標準的な名詞や動詞も読んでもらい録音し、微妙な発音や抑揚の違いもデジタル音源として保存する。調査結果の分析には、大学教授ら学識経験者の協力を求め、和歌山弁が形成された経緯も解明したいとしている。

 県は「美術品などは文化庁がデジタル化していたりするが、言葉は文化遺産に指定されないので、保存する必要がある。和歌山の豊かな文化を残し、地域のアイデンティティーを比較する材料を提供したい」としている。

 この取り組みについて、和歌山県出身の作家、神坂次郎さんは「地方文化が凝縮する方言に、保護対象として注目が集まるのは素晴らしい。方言の意味を知らなければ、県外では劣等感になってしまう。これを機に全国で方言を自慢し合えるような機運が高まればおもしろい」と話している。

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